まずは、知ることから|本社で開かれた猫問題講演会

チョイスジャパンには、「しあわせ活動」と呼んでいる取り組みがあります。地域のなかで生まれる困りごとや願いに、会社としてできる範囲で寄り添っていく。そんな小さな関わりを、ひとつずつ重ねてきました。

2026年10月24日、私たちの本社を会場に、アニマルエンシアさん主催の「猫問題講演会」が行われました。同じ下関で、保護猫やTNRの活動を続けておられる動物愛護団体です。私たちも後援に名を連ね、会場の準備や受付のお手伝いをさせていただきました。

開場前の講演会の会場とスクリーン

▲ 開場を待つ、本社の会場

猫が好きな人も、困っている人も、同じ部屋で

鳴き声やふん、餌やりをめぐるご近所の悩み。外で暮らす猫を見かけて、何かできないかと思う気持ち。猫への思いは人それぞれで、ときにぶつかり合うこともあります。

今回の講演会は、そのどちらの方にも開かれた場でした。当日は一般の方48名がご来場。講師のねこから目線株式会社 小池英梨子さんが、第1部で猫と人の暮らしの基本を、第2部でTNRに取り組む方のための捕獲の技術を、それぞれお話しくださいました。

第1部 猫問題入門講座 13:00〜14:30
〜猫の問題は人の問題〜

第2部 TNRのための猫に優しい捕獲講座 15:00〜16:30
〜実践編〜

講師 小池 英梨子さん(ねこから目線株式会社 代表取締役)
質疑応答 佐藤 恵子先生(えぞりすどうぶつクリニック 獣医師)
主催 動物愛護団体アニマルエンシア

人の都合で連れてこられた、という出発点

第1部の最初のテーマは、猫がどこから来たのか、でした。いま街や家で暮らす猫たちのルーツはリビアヤマネコにあり、穀物をネズミの害から守るといった理由で、人の手によって海の外から連れてこられた動物だそうです。野生動物ではなく、人とともに生きる「愛護動物」。だから猫のことは、人の側が引き受けて考えていくべきこと。講座名にある「猫の問題は人の問題」という言葉の意味が、ここから少しずつほどけていきました。

家の外で生きる猫には、車にはねられて亡くなる子が少なくないこと。餌やりを禁じる貼り紙が、逆に遠くからの餌やりを呼び込んでしまう場合もあること。地域で実際に起きていることを、一つずつ知る時間になりました。

第2部の講座で使われた捕獲器

▲ スクリーンの前に置かれていた捕獲器

積み重ねられてきた、猫を傷つけない知恵

第2部のテーマは、一度こわい思いをして捕獲器を避けるようになった猫、いわゆる「トラップシャイ」を生まないための技術でした。猫の記憶には、目にした光景より、身をもって味わった出来事の方が深く刻まれるのだそうです。だから、捕獲器に嫌な記憶を結びつけないこと。そして、餌をあげる場所と時間と人をそろえ、猫の動きをつかんでおくこと。

TNRは、捕獲器を置けば済むものではありませんでした。猫の様子と周りの様子を見ながら、現場で活動する方々の知識と経験が積み重なって、いまのやり方がある。手術のあとも、置き餌をなくし、餌やりを続けることで縄張りが保たれていく。続けることそのものが、地域の猫を守る仕組みになっているのだと、私たちはあらためて教わりました。

スクリーンに言葉が映し出された、講座の終わりの会場

▲ スクリーンには「わたしも ねこの世界で 生きている」の言葉

一冊の本が、全国の学校へ

すべての講座を終えたあとは、たまさんによるサイン会の時間です。たまさんは『たまさんちのホゴイヌ・ホゴネコ』の作者で、この一冊は来場者への贈りものにもなりました。同じく後援企業の株式会社あやきちでは、社長さんがこの本を全国の学校に届けようと動いておられます。知るきっかけが、会場の外へ、次の世代へと広がっていこうとしています。

知ることを、地域とつながる入り口に

8月にはアニマルエンシアさんが続けるTNRの現場を訪ね、9月には毎月第3水曜日の猫座談会や、えぞりすどうぶつクリニックさんへのTNR活動支援金のお預けがありました。毎月の保護ねこ譲渡会も、本社で続いています。今回の講演会も、その流れのなかにあるひとつのしあわせ活動です。

私たちにできることは、場所をご用意することくらいです。それでも、関心を持っていなかった方が猫のことを知り、地域の環境が少しずつ良くなっていくなら、その入り口に立ち会えることをうれしく思います。まずは、知ることから。アニマルエンシアのみなさま、講師の小池英梨子さん、質疑応答に加わってくださった佐藤恵子先生、サイン会のたまさん、そして当日お越しくださった皆さまに、心よりお礼を申し上げます。