「さくらねこ」という言葉を、聞いたことはありますか?
街で見かける猫の中に、片方の耳の先が、桜の花びらのように小さくV字に切られている子がいます。
あれは怪我ではなく、「この子はもう手術が済んでいます」という、目印です。
2026年8月8日、世界猫の日。
その目印が生まれる現場に、少しだけお邪魔してきました。
TNRという活動があること
お邪魔したのは、同じ下関で活動されている動物愛護団体「アニマルエンシア」さん。
月に一度、毎月第2土曜日に、一斉避妊去勢手術を続けていらっしゃる団体です。
この活動は、「TNR」と呼ばれる取り組みの中核です。
TNRとは、Trap(捕獲)、Neuter(不妊・去勢手術)、Return(元の場所に戻す)の頭文字。
飼い主のいない猫(野良猫)を捕獲して、手術をして、元の場所に戻す活動です。
「保護して家庭に迎える」のとは、少し違います。
外で生きている猫たちを、外で生きたまま、これ以上増やさないための仕組みなのです。
手術済みの証として、耳先をV字にカットする「耳カット」が施されます。
これが、冒頭でお話しした「さくらねこ」です。
一度手術を受けた猫は、また同じ場所で暮らしはじめます。
繁殖はしないので、次の世代の野良猫は生まれない。
発情期の鳴き声も、縄張り争いも、少しずつ減っていく。
糞尿の被害も、少なくなっていく。
それがTNRという活動です。
手術室で見せていただいたもの
お邪魔にならない範囲で、少しだけ手術の様子を見させていただきました。
たくさんいる猫たちの顔を、先生方が一匹ずつ確かめながら、丁寧に手術を進めていらっしゃいました。
まるで一頭ずつ名前を呼んでいるような、そんな手つきに見えました。
手術室特有の「ピッピッ...」という機械音に合わせて、にゃあにゃあと鳴く子が一匹。
その声が少しかわいくて、順番を待っている子たちに、こっそり小声で「がんばってね」と声をかけました。
一日で、何匹もの猫が、ここで眠り、目覚めていきます。
その一匹一匹の背景には、その子が生まれた場所、暮らしてきた時間、地域の誰かの働きかけが、必ずあります。
シェルターの猫たち
アニマルエンシアさんは、TNR活動と並行してシェルターも運営されています。
様々な事情で外では暮らせなくなった猫たちが、ここで新しい家族との出会いを待っています。
思っていたよりも、たくさんの子がいました。
そして、どの子も人にとてもよく慣れていて、それぞれが自分の落ち着く場所を見つけて、自由に過ごしていました。
この暑い夏に、外ではなく、空調の効いた部屋で、ごはんをもらいながら過ごせていること。
これだけたくさんの命を、日々こうして守り続けていらっしゃるアニマルエンシアさんの活動は、本当にすごいことなのだと、あらためて感じました。

玄関の近くで、私たちを出迎えてくれたのは、サビ柄のおばあちゃん猫。
「撫でて、撫でて」と近寄ってきて、しばらく手が離せませんでした。
しゃがみこむと、目の前にそっとお尻を向けて、「とんとん」をせがむ子もいました。
このかわいさ、写真で伝わるでしょうか。
外で生きる猫たちを「殖やさない」ための現場と、すでに保護された子たちが穏やかに暮らせる場所。
その両方が、同じ屋根の下で、静かに守られていました。
動物愛護団体という現場
今回お渡しした目録には、こう書きました。
本寄付は、資金不足によりTNRの実施が難しい現場のために、
「しあわせ活動」としてお役立ていただくことを願うものです。
正直に言えば、私たちは知らないことばかりでした。
動物愛護団体は、お金を稼ぐための組織ではありません。
誰かが給料をもらって運営しているわけでもない。
ボランティア、自費、手弁当 —— 関わっている方々が、自分の時間とお金を差し出し続けることで、
今日も現場は回っています。
「寄付」という言葉で語れる関わり方は、その献身の、ほんの隅っこにしかない。
それを、行ってみて、はじめて実感しました。
目録をお預けしてきました
チョイスジャパン株式会社から、「しあわせ活動」の一環として、
TNR活動支援金をお預けしてきました。
「寄附しました」というより、「預けさせていただいた」という感覚に近いです。
現場で大切に使い切ってくださる方々への、託した気持ち。
2026年のスケジュール

アニマルエンシアさんの一斉避妊去勢手術は、毎月第2土曜日に開催されています。
2026年のスケジュール
1月10日 / 2月14日 / 3月14日 / 4月11日 / 5月9日 / 6月13日
7月11日 / 8月8日 / 9月12日 / 10月10日 / 11月14日 / 12月12日
ご予約・お問い合わせ
動物愛護団体 Animal ENSHIA / ENSHIAスペイクリニック
TEL:090-4694-8909
Mail:n0130s0228@icloud.com
続けていくということ
ひとつの現場を見せていただいて、思うのは、
「知ること」が、はじめの一歩なんだということ。
TNRという言葉を知る。
さくらねこという目印を知る。
街で見かけた耳カットの猫が、誰かの手で命を守られた存在だと知る。
それだけで、街の景色は少し、変わって見えるかもしれません。
そう簡単に、良くなっていく現場ではないのだと、行ってみて分かりました。
だからこそ、続けていかなくてはならない。
私たちも、しあわせ活動として、続けていきます。
玄関のおばあちゃん猫にも、また会えるといいな。
— チョイスジャパン株式会社 しあわせ活動
